窓から快適、リフォームレポート -岐阜県 A邸-
立地 | 岐阜県郡上市 |
---|---|
住宅形態 | 鉄骨造一戸建(1993年竣工、2000年に住居スペース改修) |
住まい手 | 夫婦+子ども1人 |
間取り | 5DK+和室2間 |
リフォーム工期 | 2009年11月(1日間) |
窓リフォームに使用したガラス | エコガラス(真空ガラス) |
工事費用 | 約50万円 |
郡上おどりと清流、日本の名水百選第一号…郡上八幡は山あいにしっとりとたたずむ、水と緑豊かな美しいまち。市内にあるスキー場の雪質にも定評がある、豪雪地帯でもあります。
ご両親が建てた家を10年ほど前に受け継いだというAさんご夫妻のエコリフォームのきっかけは、新しい命の誕生でした。
工事は奥様が出産で里帰りしていた2009年の11月。
ひとりで留守を守るAさんが「子どもがエアコンやヒーターの温風に当たりすぎるのはよくない、という話ばかり聞いて。家に帰ってくるまでにこの部屋の寒さをどうにかしたいと」考えての決断だったといいます。
「この部屋」とは、家族のメイン空間であるダイニングキッチン。畳敷きの居間と隣り合い、赤ちゃんの過ごすスペースにも事欠きません。
問題は、10月から4月までたっぷり半年以上暖房器具が必要になるという、この土地の寒さでした。
1階南側には和室がふたつあります。以前は、同じ敷地内で営んでいた家業での接待などに使っていましたが、事務所が移転して今は使われない部屋に。DKはその奥つまり北側に位置し、山がすぐ近くに迫って冷たい風が吹き降りてくる東側に、ふたつの大きな掃き出し窓があるのです。
「人がいちばん長くいる部屋なのに日が当たらないんですよ(笑)暖房は大型のファンヒーターに加えて、キッチンとダイニングテーブルの下にはハロゲンヒーターを1台ずつ、それを回しっぱなし。窓の結露もひどくて、床に雑巾を並べていました」
それでも寒いときがありましたね、と、兵庫出身の奥様が言い添えました。
寒い時期に帰ってくる新しい家族のために、この環境を改善しなければ。Aさんの思いは「里帰りから帰ってきたら、もう変わってたんですよ(笑)」と奥様が思い返す素早い決断と行動につながりました。
前年のイベントで訪れていた市内のガラス店・八幡ガラスから、その時期ちょうど送られてきたチラシの中に窓リフォームに関する一文を発見。すぐさま電話したのです。
かけつけた八幡ガラスの小酒井善久さんが抱えてきたデモ機でエコガラスの性能を体感したAさんは、自信を持って提案した小酒井さんですら「ちょっとびっくりしました(笑)」と振り返るほどの早さで窓リフォームを即決。
「これならまちがいないというか。うん、今より絶対よくなるだろうって思いましたから」
選んだリフォーム方法は、既存サッシに真空ガラスをはめ込む「ガラス交換」です。内窓は使い勝手のほかに、やはり見た目が気になったとのこと。
1階DKのほか、2階の寝室と浴室の計3箇所の工事は「朝から始めて、お昼にはあと片付けしていました(小酒井さん)」と、こちらも負けずに迅速でした。
生まれたてだったお子さんも保育園に通うようになった今、DKの暖房は「基本的にエアコン1台。しかもパッと暖めてすぐ止める、というのが多いです。人の出入りが多くなければ、ずっとそれで大丈夫」
最大の懸念だった、吹き出す温風が子どもの体に当たり続けることはありません。大きな掃き出し窓がかたわらにあるキッチンに立っても、フローリングのダイニングでテーブルを囲んでも、とくに寒さは感じないそうです。
常にフル回転で満タンでも2日持たず、灯油代が大変だった8リッター入りの大型ファンヒーターが働くのは、今は1、2月の厳寒期に少しだけ。「つけても、暖まったらすぐ消して、あとはエアコンですみますね」
ひどい結露は、リフォーム後「ぜんぜん気づかないもの」になりました。
拭き役だった奥様は「以前は出勤前に拭くのが負担でした。朝にやらなければならないことが、どんどんずれていくんですよね」と満面の笑顔。今はサッシ部分にそこそこつくだけなので、意識して拭くことがなくなったそう。
ゆったりとした浴室も、その大きな出窓ゆえに冷えが厳しかったスペースです。
「窓を換える前は、事前にシャワーをひねって浴室内をしばらく暖めてから入っていました」とAさん。追い炊き機能がない浴槽でもあり「すぐさめてしまうから、どんどんお湯を足すしかなくて」。
今は「体を洗っているときに寒いな、というのもなくなりましたよ」。
新しい家族を迎える日のために、新米パパが下した愛情あふれる迅速な決断と行動。大掛かりな工事にならず一日で終わることも多い窓リフォームの簡便さも、その思いをちょっぴり応援できたのかな…温かな気持ちで、郡上をあとにしました。